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トピックス

診療科・部門からのお知らせ

 産婦人科  外科 胸部外科・呼吸器外科
産婦人科からトピックス情報

子宮鏡下手術を始めました-2021/6/2-

子宮鏡下手術

2021年度より子宮鏡下手術を開始しました。子宮粘膜下筋腫切除・子宮内膜ポリープ切除などの手術を行っています。

子宮鏡下手術のご相談をご希望の方は、どうぞ当院産婦人科を受診してください。

 

子宮鏡下手術の一般的な入院期間は通常3日間です。

2021年6月現在、受診から手術までの期間は1ヶ月程度です(病状によって前後します)。

腹腔鏡による子宮体がん手術を始めました-2021/6/2-

腹腔鏡による子宮体がん手術

2021年6月より早期子宮体がんに対する腹腔鏡下子宮全摘術を開始しました。

従来の開腹手術と比較し、傷が小さい、術後の回復が早いなどのメリットがあり、以前より身体への負担が少ない治療が行える様になりました。

子宮体がんは婦人科がんの中で最も多く、なかでも早期がんの方が多いです。早期がんではこの手術のみで治癒することが期待できます。

婦人科腫瘍専門医を中心として診療を行っておりますので、子宮体がんと診断された方・疑われた方は、どうぞ安心して当院産婦人科を受診してください。病状に応じた適切な治療を行います。

 

腹腔鏡下手術の入院期間は通常6日間です。

2021年6月現在、受診から手術までの期間は通常1ヶ月以内です。

腹腔鏡下子宮全摘術、腹腔鏡下子宮筋腫核出術を行っています-2021/6/2-

腹腔鏡下子宮全摘術、腹腔鏡下子宮筋腫核出術

昨年10月より手術に習熟した医師による腹腔鏡下子宮全摘出術、腹腔鏡下子宮筋腫核出術を開始し、現在まで多くの患者さんにお受けいただいています。

腹腔鏡手術には、従来の開腹手術と比較して傷が小さい、術後の回復が早いなどのメリットがあり、以前より身体への負担が少ない治療が行える様になりました。

また、卵巣、卵管の手術も、より多くを腹腔鏡手術で行う様になりました。

 

婦人科の症状、病気でお困りの方は、どうぞ当院産婦人科をご受診ください。

病状をしっかり評価した上で、手術以外の治療も含めた様々な治療法の中から、適切な治療・手術を行います。

 

腹腔鏡下手術の入院期間は通常6日間です。

2021年6月現在、受診から手術までの期間は1ヶ月程度です(病状によって前後します)。

 

外科からトピックス情報

令和5年4月1日より日本胃癌学会認定施設(B)に認定されました

・胃がん治療は日本胃癌学会認定施設で受けましょう

当院は令和5年4月1日、日本胃癌学会により(簡単に申しますと)“胃がん治療の得意な病院”と認定されました。今後、胃がん治療は「内視鏡診断・治療、外科手術、病理学的診断、化学療法・免疫療法、放射線治療」に十分な体制が整った、経験・実績のある施設への集約が望ましいとの考えに基づく認定制度です。当院はその胃がん専門施設として認定されました。

この認定には認定資格AおよびBと2つの区分があり、当院は認定資格Bです。認定資格Aには、大学病院・がんセンターレベルの各科治療担当医のマンパワーや学術的貢献等、より多くの要件があり、当院のような一般病院が取得するには、ややハードルが高いと言えます。しかしながら、胃がん手術および内視鏡治療件数、日本内視鏡外科学会技術認定医の常勤など治療実績については認定資格Aの要件を十分に満たしています。さらに、認定資格A施設でも行われていない「胃がんに対する腹腔内化学療法」を実施するなど、胃がん治療の経験・実績については遜色ないものと自負しております。

やがてオープンとなる新病院ではロボット(ダヴィンチ)支援下手術を早々に開始予定であり、この西多摩地域の胃がん治療に大きく貢献できるよう一層精進してまいります。

日本胃癌学会認定施設B

日本胃癌学会施設認定制度の趣旨(日本胃癌学会ホームページから抜粋)

 

  1. 背景
    • 近年、医療の急速な進歩により、胃癌診療は、多様化、複雑化している。(例えば、内視鏡治療の適応拡大、ロボット手術などの低侵襲手術の普及、免疫治療などの薬物療法の専門化など。)
    • 胃癌診療は、消化器外科医・内視鏡医・腫瘍内科医・病理医など複数の診療科が関与し診断・治療を進めていくことが求められる。
    • 一方、ピロリ菌感染率の急速な低下により、今後我が国における胃癌罹患率の低下が予想され、胃癌診療レベルを維持するためには、一定の施設集約化が必要と考えられる
  1. 施設認定制度の目的
    • 我が国で多数を占める胃癌患者に安心して胃癌診療を受けることのできる情報を提供する。
    • 多様化、専門化する胃癌診療に対応すべく学会員の知識技術の向上に貢献する。
    • 適切な胃癌診療を提供できる施設を認定することにより、我が国における胃癌診療の維持向上に貢献する。

 

イメージで辿る胃がん手術いまむかし

外科部長 竹中 芳治

作曲家ブラームスの親友であったオーストリアの外科医ビルロートが世界初の胃がん手術を成功させたのは1881年のこと。迅速な手術をモットーに胃の4分の3を切除、残る胃と腸とつなぐだけの手術でした。患者さんは43歳女性、術後1か月で無事退院したものの4か月後にがん再発により亡くなりました。

胃がんの転移

胃がんの飛び火、高跳びの様式は4通り。

    1. リンパの流れに乗って“リンパ節転移”
    2. 血流に乗って“血行性転移”
    3. 胃の壁に穴を開けて顔を出し隣の臓器へ浸食すると“隣接臓器浸潤”
    4. 胃壁を貫通、お腹の中にパラパラとこぼれて“腹膜播種”

徹底的に切除するのじゃ

胃がん手術では、すでにがん細胞に占拠された転移リンパ節の切除が必須です。しかし、手術中肉眼で転移が起こっているリンパ節か否かを判別することはできません。NHKでテレビの本放送が開始された1953年、「転移が起こる可能性のあるリンパ節をくまなく切除せよ」と謳う「胃癌におけるリンパ系統の徹底的郭清」という概念が発表されました。これは日本の胃がん手術、特にリンパ節切除法の基礎となりました。そして、転移の可能性のある部位はすべて切除(上述①②)する、病変が隣接する臓器に浸潤しておればこの臓器(上述③)も切除する、という拡大手術路線(上述①も②も③も④も切除!)を突き進みました。

ちょっと待て

が、治療成績は向上せず。やがて、がん細胞は発育増殖の過程で「胃の周辺にがん細胞が住んでいる時期=局所性」と「もはや、がん細胞が全身を巡っている時期=全身性」に分かれることが認識されます。手術は最大の「がん局所の制御手段」であり、局所性の段階では威力を発揮するが、ひとたび全身性となれば無力なのだと。大手術が安全無事に終了しても、無力なのです。近年、標準手術(定められた上述①のみを切除)VS拡大手術、どちらが良いのか?が検討され、「どうも拡大手術はよろしくない」という結果が次々に報告されています。

小さく切除するのじゃ

早期がん診断能の向上により、早期胃がんの件数が増えました。手術データの検討から、早期胃がんであれば、進行がんに比べて手術の規模を控えめにした縮小手術でも十分に根治できることもわかってきました。

そして、当院で行っている胃がん手術

私たち手術スタッフは、胃がん手術の限界を熟知しているつもりです。①早期胃がんに対する必要にして十分な手術、身体への負担の少ない腹腔鏡下胃切除②これまで早期胃がんのみにしか適応されなかった腹腔鏡下胃手術を進行がんにも応用する③切除した胃の病理診断で判明する最終的な病状・進行度に応じて、手術後に化学療法を施行④がん転移状況を見極め、先に化学療法を施行、病変をおとなしくさせた後に手術を施行⑤がん発見時に手術が全く無力な段階だと判断されても、化学療法を開始、著効して局所性病変の範疇となった場合には、この時点で手術を施行。

これらを手術治療の柱とし、これまで重ねに重ねた研鑽を武器に、過不足のない安全な手術を心掛け、日進月歩の全身療法(手術以外の治療)と手術の併用に関する正確な知識の吸収に励んでおります。私たちの取り柄は“これだけ”です。

胸部外科・呼吸器外科からトピックス情報

肺がんの手術~VATSとは~

呼吸器外科医長 今井 紗智子

おなかのカメラを用いた腹腔鏡手術はラパロ(laparoscopyの略)と呼ばれますが、胸のカメラを用いた胸腔鏡手術はVATS(バッツVideoAssisted Thoracic Surgeryの略)と呼びます。呼吸器外科では肺や縦隔にできた病気に対する治療を行っており、2020年春から当院でのVATSの適応疾患をひろげました。今回は肺がんの手術治療についてご紹介します。

肺がんについて

肺がん=ヘビースモーカーの病気と思われがちですが、最近ではタバコを吸わない人にも肺がんが増えています。過去10年日本人のがん死亡率第一位を肺がんが占拠しています。タバコを吸う人も吸わない人も、年一度は検診でレントゲン検査をお勧めします。

肺がんの治療

肺がんに対する治療の基本は「手術できる肺がんは切除をして、更に必要なら薬物治療や放射線治療を行う」です。近年重粒子線などの治療法も出てきていますが、まだ十分なデータと結果が出ていません。肺がんに対する手術は「どれだけ肺を取るか」「どうやって肺を取るか」がポイントです。

「どれだけ肺を取るか」

肺がんの標準的な治療は肺葉切除といって、がんが存在する肺葉を切除し、周囲のリンパ節を郭清します。非常に早期段階の肺がん(非浸潤癌)と考えられる場合は、縮小切除(区域・楔状切除)を選択することもあります。当院でも早期の肺がんや呼吸機能が低い場合には縮小切除を選択しています。

「どうやって肺を取るか」

以前は開胸手術が標準術式で、術者と助手がじかに胸の中を見て触って手術をしていました。少なくとも術者の片手がすっぽり胸の中に入る必要があるので、創(きず)は15cm前後で、場合によっては肋骨を折って手術をしました。今でも進行した肺がんなどはこのような開胸手術が選択されます。

ここ20年くらいで器具の進歩と呼吸器外科医たちの努力により、VATSが肺がんの標準治療となってきました。VATSは術者も助手もカメラで映し出された胸の中の映像を見ながら、棒状の道具を使って手術をします。道具が出し入れできる大きさの創で済むので、4cm程度の創が1箇所、1.5cm程度の創が2箇所で、肋骨を折ることなく手術ができます。創が小さいので痛みや体への負担が減少します。VATSでも「どれだけ肺を取るか」は開胸手術と変わらず、術後の再発などの治療成績もほぼ同等と考えられています。

今後10年はロボット手術の発展が見込まれます。肺がんに対するロボット手術も始まっていますが、VATSを超える利点を見出すには、まだまだ我々呼吸器外科医の努力が必要そうです。

当科では看護師などの病棟スタッフ、関係各科、手術部などと協力し、手術や入院生活を安全に安心して受けていただけるように心がけております。