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外科


外来担当表

…当日予約の受付が可能です。当日予約の受付は、午前11時30分までです。

外科
午前当番医当番医当番医
午前石井山崎竹中澤井
午後山下
三宅
平野
藤井・松本
午前平塚平塚平塚・杉崎杉崎・平塚杉崎
午後平塚平塚杉崎・平塚

診療医のご紹介

 

役 職 氏 名 専門医・認定医等情報 専門領域
診療局長 竹中 芳治 日本外科専門医・指導医
日本消化器外科学会専門医・指導医
日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医
日本消化器病学会専門医・指導医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本臨床外科学会評議員
日本外科系連合学会評議員
日本医師会認定産業医
胃癌手術治療
胃癌化学療法
部 長 山﨑 一樹 日本外科学会認定医・専門医
日本大腸肛門学会専門医
日本消化器外科学会認定医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本医師会認定産業医
副部長 平野 康介 日本外科学会外科専門医
日本消化器外科学会消化器外科専門医
日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医
日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
副部長 山下 俊 日本外科学会専門医・指導医
日本消化器外科学会専門医・指導医
日本消化器病学会専門医
日本肝臓学会専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医
医師臨床研修医指導医
日本腹部救急医学会腹部救急認定医
肝胆膵外科
副部長 石井 博章 日本外科学会外科専門医
日本内視鏡外科学会技術認定医
医 長 工藤 昌良
医 長 平塚 美由起 日本乳がん学会乳がん認定医
日本外科学会外科専門医
医 長 三宅 弘章 日本外科学会外科専門医 消化器外科
医 長 藤井 学人 日本外科学会外科専門医
日本医師会認定産業医
日本消化器外科学会消化器外科専門医
日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医
日本内視鏡外科学会技術認定医
医 員 松本 理奈
医 員 澤井 崇行

診療科のご紹介

 

令和5年4月1日より日本胃癌学会認定施設(B)に認定されました

 

・胃がん治療は日本胃癌学会認定施設で受けましょう

当院は令和5年4月1日、日本胃癌学会により(簡単に申しますと)“胃がん治療の得意な病院”と認定されました。今後、胃がん治療は「内視鏡診断・治療、外科手術、病理学的診断、化学療法・免疫療法、放射線治療」に十分な体制が整った、経験・実績のある施設への集約が望ましいとの考えに基づく認定制度です。当院はその胃がん専門施設として認定されました。

この認定には認定資格AおよびBと2つの区分があり、当院は認定資格Bです。認定資格Aには、大学病院・がんセンターレベルの各科治療担当医のマンパワーや学術的貢献等、より多くの要件があり、当院のような一般病院が取得するには、ややハードルが高いと言えます。しかしながら、胃がん手術および内視鏡治療件数、日本内視鏡外科学会技術認定医の常勤など治療実績については認定資格Aの要件を十分に満たしています。さらに、認定資格A施設でも行われていない「胃がんに対する腹腔内化学療法」を実施するなど、胃がん治療の経験・実績については遜色ないものと自負しております。

やがてオープンとなる新病院ではロボット(ダヴィンチ)支援下手術を早々に開始予定であり、この西多摩地域の胃がん治療に大きく貢献できるよう一層精進してまいります。

日本胃癌学会認定施設B

日本胃癌学会施設認定制度の趣旨(日本胃癌学会ホームページから抜粋)

 

  1. 背景
    • 近年、医療の急速な進歩により、胃癌診療は、多様化、複雑化している。(例えば、内視鏡治療の適応拡大、ロボット手術などの低侵襲手術の普及、免疫治療などの薬物療法の専門化など。)
    • 胃癌診療は、消化器外科医・内視鏡医・腫瘍内科医・病理医など複数の診療科が関与し診断・治療を進めていくことが求められる。
    • 一方、ピロリ菌感染率の急速な低下により、今後我が国における胃癌罹患率の低下が予想され、胃癌診療レベルを維持するためには、一定の施設集約化が必要と考えられる
  1. 施設認定制度の目的
    • 我が国で多数を占める胃癌患者に安心して胃癌診療を受けることのできる情報を提供する。
    • 多様化、専門化する胃癌診療に対応すべく学会員の知識技術の向上に貢献する。
    • 適切な胃癌診療を提供できる施設を認定することにより、我が国における胃癌診療の維持向上に貢献する。

 

腹腔鏡手術で胃がんや大腸がんを治療する

「腹腔鏡手術」という言葉を聞かれたことがおありかと思います。最近のお腹の外科手術についての新聞、雑誌、インターネット記事をご覧になり、多くの方々がご存知かもしれません。従来の大きくお腹を切り開く「開腹手術」に比べ、お腹に数か所の穴を開けて施す「腹腔鏡手術」は、整容性(傷が小さい・きれい)に優れ、術後の回復もより早いことから、現在多くの施設で施行されており、もはや標準的な手術方法となりつつあります。

 

この手術方法の歴史は、

1980年:世界初の腹腔鏡下虫垂切除術 (Dr. Semm、独)

1986年:世界初の腹腔鏡下胆嚢摘出術(Dr. Mouret、仏)

1991年:世界初の腹腔鏡下大腸切除術( Dr. Jacobs、米)

1992年:世界初の腹腔鏡下肝臓切除術、と世界初が続き、
本邦では、

1990年:腹腔鏡下胆嚢摘出術が導入され、以降、

1991年:腹腔鏡下胃切除

1993年:腹腔鏡下大腸切除

1994年:腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術

1995年:適応は益々拡大され、胃潰瘍穿孔性腹膜炎、小腸切除術、腸管癒着剥離術など

 

外科医が大きく切り開かれたお腹に手を入れて胃や腸を握りしめて操作するのではなく、お腹に小さく開けた穴(径5mm~12mm程度)からお腹の中に棒状の手術道具だけを滑り込ませて、二酸化炭素ガスでブクゥ~とお腹を膨らませた(気腹)、東京ドームならぬ「お腹ドーム」の中で手術操作を繰り広げる時代になってきたわけです。腹腔鏡手術は「外科手術400年余の歴史の中で最も大きな革新」と言われています。

 

開腹手術と腹腔鏡手術について

従来の開腹手術と腹腔鏡手術について、少しお話を。

まず、皮膚の切開=傷口の大きさを図にしました。開腹手術では切開の大きさは20~30cmですが、腹腔鏡手術では切開というよりも穴を開けるイメージでしょうか。通常、おへそに12mmの切開を入れ、ここに外科医の「目」あるいは「カメラ」となる「腹腔鏡」が入ります。傷は腹腔鏡手術の方がはるかに小さそうですね。

 

以上、当科で行っている手術について、少しお話させていただきました。

この腹腔鏡手術は、もはや早期がんに対しては全国的に標準的手術方法となっています。さらに「進行がんに対してもこの腹腔鏡手術を施行しても良いのか?どうか」が検証されつつあります。

さらには「外科医が操作し、ロボットが手術をする」というロボット支援下手術が導入され、実績が積まれつつあります。ロボットと申しましても、「鉄腕アトム」や「マジンガーZ」の類のロボットではなく、例えば「ダヴィンチ」や「hinotori(国産)」と命名された手術用ロボットです。当院でも新病院オープンを機に「ダヴィンチ」を導入、ロボット支援下手術を開始予定です。

 

当科での腹腔鏡手術と開腹手術の件数の推移

過去3年間の当科での腹腔鏡手術と開腹手術の件数の推移をご覧下さい。例として、主要な4種類の手術について見てみましょう。

ご存知のように、2020年には当科は新型コロナウイルス蔓延の煽りを受けて、入院・手術の停止や制限を余儀なくされた時期が3か月以上あり、(胃がん手術を除いて)手術件数は大幅に減少しました。その中でも、腹腔鏡手術の割合は増加、あるいは一定の件数を維持しております。

胃癌 腹膜播種に対する腹腔内化学療法(自費診療)

 

腹膜播種の新たな治療

 

当院では2022年7月より腹膜播種を伴う胃癌を対象として、自費診療としてパクリタキセル腹腔内投与化学療法と全身化学療法を併用する治療を実施します。

お腹の中は一枚の大きな袋である腹膜に覆われています。胃癌が進行すると癌細胞が腹膜に散らばり、腹膜に癌細胞が広がります。これを腹膜播種と呼びます。腹膜播種が進行するとお腹の中に水がたまってお腹がはって食事が食べられなくなったり、大腸や小腸が狭くなって排便がしにくくなったり、腸閉塞のようにお腹が痛くなったり、尿の通り道が狭くなり尿の出が悪くなったりします。そうなると抗がん剤治療そのものが継続できなくなります。また腹膜播種に対して一般的に抗がん剤の内服や点滴治療が行われますが、腹膜は血流が少ないため抗がん剤が届きにくく治療効果に限界があるとされています。そこで抗がん剤を直接お腹のなかに投与する方法が開発されました。

東京大学病院で行われている胃癌を対象とした「S-1+パクリタキセル経静脈・腹腔内併用療法」の新しい治療方法と標準的な治療法であるS-1+シスプラチン併用療法を比較した臨床研究では、生存期間中央値は17.7カ月と15.2カ月という成績でしたが、統計学的にその差は証明されませんでした。しかし、各治療を受けた患者さんの腹膜播種の進み具合に偏りがあったため、この偏りを考慮に入れて検討したところ、新しい治療法がより有効であることが示唆されました。またこの新しい治療法を行うことで6割の患者さんで腹膜播種が消えて手術を行うことが可能となり、手術をうけた患者さんの7割でがんを取り切ることができたとする報告があります。

この新しい治療法は、腹腔ポートより投与を行います。初回投与は入院して治療を始め、その後は外来で治療を続けます。この新しい治療法を3コースうけて頂き内視鏡やCT検査などで治療効果を判定し腹膜播種が消失傾向であれば手術、効果があるものの腹膜播種が残存傾向であればこの治療をさらに継続する、残念ながら効果に乏しい場合は保険適応のあるあらたな抗がん剤治療に変更して治療を継続する方針をとっております。

 

治療スケジュール(1コース)

 

入院日(1日目) パクリタキセル腹腔内投与とパクリタキセル経静脈投与を行い夕方からS-1内服を開始し翌日退院します。S-1は朝、夕と1日2回14日間続けます。

8日目 外来受診します。診察、採血問題なければ外来治療センターでパクリタキセル腹腔内投与とパクリタキセル経静脈投与を行い帰宅します。

15日目 最後のS-1を朝内服して外来受診します。診察、採血確認して問題なければそのまま帰宅します。21日目から2コース目を開始し、さらに3コース目を行い、内視鏡検査やCT検査などで治療効果を確認します。

 

治療にかかる費用(自費診療)

 

パクリタキセル腹腔内投与は健康保険が適用されない治療ですので、その他の薬剤、検査や診察などを含めて保険を使用することができず、費用は患者さんの10割負担となります。

<費用の目安>

費用概算
1コース(入院+外来) 約20万円
2、3コース(外来のみ) 約15万円×2
3コース後の評価検査 約5万円
総額 約60~70万円

※費用については、3コース実施の目安になります。

更に治療を継続する場合は、外来のみの投与 3コース + 評価検査 = 約50万円追加が目安となります。

 

腹腔内化学療法

抗がん剤をお腹のなか(腹腔と呼びます)に直接投与する治療法を腹腔内化学療法といいます。投与された抗がん剤が腹腔内全体に広がり、高い濃度のまま腹膜播種と直に接します。一般に抗癌剤は、多くの量・高い濃度の薬が癌に届き、その状態が長く続くほど、効果が高くなります。パクリタキセルは脂溶性で分子量が大きいため腹腔内投与後腹腔内に長時間留まりかつ少しずつ血中に取り込まれるため腹膜播種に対して効果があると考えられています。腹腔内に投与されたパクリタキセルは少しずつゆっくり吸収されますので、吐き気、食欲不振などの全身的な副作用はほとんどありませんが、まれに軽い腹部膨満感がみられることがあります。腹腔内に投与された抗癌剤は、腹膜播種の表面から中に染みこんでいきますが、1mm以上の深いところまでは薬は届きません。そのため、胃の原発巣、リンパ節の転移などには効果はありません。手術後の患者さんなど、腹腔内に癒着がある場合は、薬が届かない部分があることがあります。

 

腹腔ポート

 

腹腔内化学療法は、腹腔ポートというカテーテルより投与します。腹腔ポートは本体とカテーテルからなります。本体は直径約3㎝のチタンとシリコンでできた器具で、皮膚の上から針を刺す際の受け皿となります。カテーテルは直径約5mm、長さ約30㎝の軟らかい管で、筋肉を貫いて腹腔の中に留置され、薬の通り道となります。腹腔ポートは、腹水に含まれる癌細胞の診断にも使用することがあり、審査腹腔鏡*の際に造設することがあります。

(*審査腹腔鏡:全身麻酔下に腹部の壁に小さな穴を開け、カメラで腹腔内を観察する検査)

腹腔ポートに関連した合併症として、腹腔ポート感染や腹腔カテーテル閉塞や腹壁瘢痕ヘルニアなどがみられることがあり、ポートの抜去や交換が必要になることがあります。

 

腹腔内投与の実際

 

腹腔ポートに針を刺し、生理食塩水500mlを1時間かけて注入します。同時にアレルギーや吐き気を予防するための薬を点滴静脈注射します。次に生理食塩水500mlに溶かしたパクリタキセルを1時間かけて注入します。同時にパクリタキセルを点滴静脈注射します。計1,000mlの生理食塩水は腹腔の全体に広がり、パクリタキセルが腹膜播種と直に接することになります。患者さんの状態にもよりますが、通常は外来通院で行うことができる治療です。

また、投与の後に生活や食事などの制限はありません。

治療についてのお問合せは・・・・

上部消化管外科担当 医師 平野 康介・医師 竹中 芳治 

までご連絡下さい。